子どもの育つ環境を整える

子どもの健やかな育ちを支えるためには、家庭や地域そして社会全体で子どもを育むことが大切です。

今、ようやくこの考え方が社会の中に浸透しつつあり、様々な取り組みも進んできてはいます。

制度の枠組みができたけれど、実質的にはどうでしょうか。

生ま れ育った家庭環境や国籍、障がいや性別等にかかわらず、

すべての子どもが自らの力を充分に発揮できるよう、 最良の環境を整えることが大人と社会全体のしごとです。

 

2019 年 4 月から、幼児教育・保育の無償化がスタートしました。

すべての子どもの育ちを保障するためには、保護者の経済的負担軽減や就労支援だけでなく、

実際の子どもたちが健やかに育つ環境やマンパワーも含めた、質の担保が大変重要です。

また、自由で自律的な保育や幼児教育を実践している施設に対して、

保育無償化の制度枠の要件により補助の対象に影響を受けるという課題もあります。

生活や遊び、自然や人と触れ合うことで、自分も人も大事にし、

「寛容な心」と「自然との調和の中で生きてい く基本的な考え方や力」を身につけることができるように

保育・教育の内容を充実させることが求められます。

さらに、虐待の増加により、一時保護施設や児童養護施設での対応が追いつかない状況が続いています。

「子ども を社会で育てる」という発想で社会的擁護のしくみを整えることや、

思いがけない妊娠を含め妊娠期からの支援 や血縁だけに捉われない子育て支援をひろげる必要があります。

 

子どもも親も、困った時にはすぐに誰かに相談でき、十分な休息をとれること。

そうした社会のしくみを充実させていくためには、実情に即した細かい支援環境や関係者間の密な連携が必要であり、

そのために実際の当事者の声を拾い、実情に即した丁寧な施策づくりをしていきます。

そして何よりも最優先は、子どもの安全と健やかな育ちの環境です。

災害時の子どもへの配慮や化学物質・電磁波・放射能など、成長過程にある子ども に有害な影響を与えるとされるものも含め、

育ちの「環境」を子どもの最善の利益の視点でつくりあげていきます。