アキココラム2023_8 終戦の月によせて
この夏、原爆にまつわる映画を観ました。
核兵器禁止条約成立までの運動の道のりを描いた「ヒロシマへの誓い サーロー節子とともに」、
原爆投下直後の惨状を描いた「ひろしま」の2本です。
「ヒロシマへの誓い」で聞いたサーローさんの壮絶な語りを「ひろしま」で目にすることになり、
映像の力の大きさを感じました。二度と同じことがあってはならない、と強く思いました。
一方で「ひろしま」の最後に、主人公のひとりの青年が復興の最中、
勤めていた工場が爆弾を作り始めたから辞めた、と朝鮮戦争の軍事特需を示唆する場面があります。
原爆で苦しんだ自分達の復興が他国の戦争、他人の苦しみの上に築かれることを受け止められない青年の姿は、
この映画のもう一つのテーマなのではないでしょうか。
戦後たった8年で「ひろしま」という映画の制作に駆り立てられた人々の思い。
そして「ヒロシマへの誓い」でサーローさんが見せてくれた、ひとりひとりの強い思いが世界を動かすという事実。
「新しい戦前」のなか、黙っていては戦争へ傾いてしまいます。一緒に「戦争反対」の声を上げていきましょう。