戦後80年に寄せて
こんなに切実な思いで8月を迎えたことはかつてありませんでした。
6月の都議選、7月の参議院選を経て、「新しい戦前」がさらに現実味を帯びてきた気がして
、今年の8月は、戦争に関する展示、美術展、写真展、ドキュメンタリー映画、講演会、戦争遺跡視察に足を運びました。
戦争により市井の人々が受けた被害の実態はもちろん、アジア2000万人の命を奪った加害の側面も改めて学び直しです。
かながわ県民センターで8月8日から15日まで開催された「第10回 戦争の加害展」では、
教科書に掲載されているような事件のなかでどのような加害が起きていたのかを、生き延びた被害者の方々、
日本軍として加害を行った方の証言を元に詳細に追うことができました。
目を覆いたくなるような残虐な行為の数々に圧倒され、これをなかったことにはできないと思いました。
そして、それを誰が行なったのか。戦争が、善良なはずの市民を加害の狂気に駆り立てるという事実を突きつけられました。
史実を直視し、二度と同じことを繰り返さないと世界に行動で示していくのが戦後生まれの私たちの役目。
この国に再び戦争を起こさせないと深く胸に刻んだ戦後80年目の夏となりました。
金子アキコ