映画「雪道」を観て
映画「雪道」は、日本軍「慰安婦」にされた朝鮮人の同郷の少女二人の物語です。
日本占領下の朝鮮で、日本軍は多くの朝鮮人女性たちを“日本の学校に通える”等と騙し、
或いは攫うなどして各戦地に送り、「慰安婦」として従事させました。
慰安所に詰め掛ける大勢の日本兵の姿、中絶薬の服用を強要される場面、
梅毒に罹って銃殺される友人の姿などが、慰安所の過酷な日常を想起させます。
主人公の少女のひとりは性暴力を受け続ける現実に耐えられず自ら命を絶とうとし、
もうひとりの主人公はそれでも二人で生きて故郷へ帰ろうと励まします。
そうやって必死に生きて終戦を目前にしながら、用済みとばかりに簡単に奪われる「慰安婦」少女たちの命。
生きて故郷に帰れたとて、自分の身に起こったことをなかったことにしなければ生きていけない孤独な日々。
戦時中日本は国を挙げて慰安所という性加害のシステムを作り、多くの女性たちの尊厳を踏み躙りました。
この歴史に繰り返し向き合うこと、二度と戦争をしないことが今を生きる人間の責務です。
私は、戦後半世紀を経て元「慰安婦」の方々が語った事実をなかったことにしません。
金子アキコ
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